りつ@ドイツ
りつとナツさんの喜怒哀楽の物語。体験に基づいて作ったフィクション。
コインランドリーに戻ったときには、夕日がだいぶん傾いていた。この時間になるとさすがに肌寒い。半袖のナツさんも見るからに寒そうだったが、ご本人はいたって平気らしかった。 6番機の洗濯物を、手早く引き出していく。 ぼたぼたっと水が音を立ててしたた…
やり場のない怒りに満ちた日は突然やってくるものだ。でも相手が機械であればどうにもならない。 その連続事件は新婚の秋に起きた。そのころ我が家には洗濯機がなかった。歩いて15分ほどかかる近所のコインランドリーに、通っていたのである。 私たち夫婦は…
ドイツにもモーニングがある。パンやチーズや卵が大きなお皿に盛られていて、見た目にお洒落だなあといつも見惚れてしまう。 ドイツに来て間もない頃、わざわざ地下鉄に乗って、とあるカフェによく朝食を食べに行った。この朝ごはんは、バスケットいっぱいに…