もぐもぐと独逸

ならでは食と独逸物語。

キャビアじゃないドイツのキャビアって何者? ローストビーフの手毬寿司に黒いツブツブを乗せて食べてみた。

お正月に、日本に帰れなかった無念をぶつけるように、夫氏とふたりでいちから作ったおせち。

 

ドイツのスーパーで売っているさつまいもはなんとオレンジ色! なので、栗きんとんの金団はオレンジ色になってデンとしていたし(くちなしの実はない)、伊達巻きは火加減が難しくて表面を焼きすぎたし、要するに苦心の末にできあがったのだけれど、味は手放しで美味しい。手作りするとこんなにもほっとする味になるのだ。

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美しく輝いていたのが、夫氏がフライパンで作ったローストビーフ。この赤み、火の通り具合、とっても美味しそう‥‼︎ 上に乗っかっているのは茹でたほうれん草。

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実際、自画自賛ながら頬っぺたが落ちるくらいのお味だったので、お正月二日目の今日は、手毬寿司にリメイクすることになった。この際、贅沢には贅沢を掛け合わせて、黒いツブツブに登場してもらいます。 

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キャビアです。さすがお正月! なんて言いたいところだけれど、このキャビア、じつは2ユーロほどで超お手頃価格のキャビアなのだ。種明かしすると、鮫のたまごじゃなくて、これはほかの魚のたまご。ゼーハーゼンという名の魚で、これをドイツのパン屋さんで買ったバケットに乗せて食べると、とっても食が進む。ハレの日に特別に食べるものじゃない。日本の「ごはんにお漬物」みたい。

 

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酢飯をラップに包んでローストビーフで手毬寿司を作り、その上にキャビアを投下! バケットであれほどなのだから、これはさらに美味しいに違いない、と口に運んだところ……

 

ダメでした。

 

まずいわけじゃないんだけれど、なんだか微妙な味になる。なんでかなあ。

 

これなら肉を焼いたときの焼き汁に赤ワインを入れて作ったソースに、そのままドボンしたほうが美味しい。もっといえば、上段のマチェス(にしんの仲間)という魚を酢締めにしてにぎった手毬寿司のほうが、キャビアがよっぽど合う。こちらは友人に教えてもらった貴重なメニューで我が家のお寿司のネタによく登場します。

 

たとえばキャビアが鮫のたまごで「贅沢かける贅沢」であろうが、今回みたいにゼーハーゼンのたまごで「贅沢かける日常」であろうが、両者の味はよく似ているので、そもそもローストビーフにキャビアは合わないのだと思う。上段の手毬寿司は、魚の上に魚のたまごを置いたから美味しかったんだろうか。

 

日本ではだいたい三が日まではお正月でおせちを食べたりするけれど、ドイツでは二日はふつうの日。でも脳内はお正月なので、っぽくしたくなる。「正月」と「ふつうの日」がせめぎあい、ブランチになってしまった。「ふつうの日」とは言え今年は二日が土曜日で、三日が日曜日。あと一日、ゆっくりしていることができる。あと一日、たらふく食べることができる!