ほっぺたの向こう

食にまつわるあれこれ.

2.ママのつぶやきー子育てにマシュマロ入りココアは夢である。

 育児中のママが、予定調和な日々を過ごすことはほとんど不可能なのに、私ったらノルマで動こうとするのだ。これは、好ましくない。語学や仕事の勉強で自分にノルマを課してこなそうとしても、一歳児は泣くし四歳児は騒ぐしで、達成できない。その日にする家事や手続きをTO DOリストにまとめても、ジュースをこぼしたとか(「ママ!こぼれたあ」)、電車のおもちゃが壊れたとかで(「ママ!病院にはこぶ。」)、すぐに中断する。困った。次男が日中ずっと寝てくれて、おかげで今日は計画通りにすべてこなせましたという日でも、ささやかな達成感もつかの間、夜になかなか寝てくれず睡眠不足になってしまう。

 

 内側に焦がした向日葵油ようなストレスを抱えていることに自分で気づけずにいると、子どもがリビングを散らかしていたり、言うことを聞いてくれなかったりするときに、黒々とした油に火がついて、イライラの炎が子どもに向かう。

 

「片づけてよー!!」

 

 これ、好ましくない。本来、勉強や家事のノルマをこなせなかったことでたまった心のおコゲの始末は、私の仕事であって、子どもには関係ない。自分に言い聞かせても炎を吐いてしまうなら、ノルマなんて捨ててしまうのがいいかもしれない。ゆとりって大事だ。

 

 一樹を見てくれたTagesmutter(保育ママ)のアンは、もとは幼稚園の先生だったのだけど、ひとりひとりに向き合いたいのよといって、少人数制の保育ママになった。彼女は自分の仕事に誇りを持っている。基本のお行儀を教えてくれるし、ケガをしないようによく見てくれる。スマホで写真を毎日送ってきてくれるから子どもの様子がよくわかるし、子どもの様子を日記に書いて、卒業時に渡してくれる。これがものすごく分厚いファイルで、渡されたときには彼女の真剣さや熱意が伝わってきて胸がいっぱいになった。手を抜かないし、楽しんでいる。彼女からは仕事の誇りを学んだ。

 

 それでも、木曜日が祝日のときは、彼女は金曜日に休みをとって連休にしてたっぷり心と身体を休めるのだ。水曜日の三時半にお迎えに行くと、「良い週末を!」といい合うことになるので、最初は吹き出しそうになったけれど、今は、そんな風に休むことはとても大切だと思っている。

 

 疲労がぱんぱんになって爆発してしまう前に、心と身体を休める。すばらしきUrlaub(休暇)!ということで、もやもやしたものが心の中を徘徊しているので、今日はもうノルマなし。ゆーったり。

 

 一日の終わり、家族が寝静まった後に、ホットミルクやお茶を飲みながら三十分ほどぼおっとするのは、私の大切な日課になっている。そういえばライプツィヒに行ったときに飲んだのは、マシュマロの入ったココアだった。甘いココアにとろけるマシュマロの舌ざわりは最高。ワッフルによく乗っかっている無糖の生クリームも好きだけれど、マシュマロとココアってよく合っている。子育てって、こんなにふんわりとした、甘いものではないなあ。だけどほんのひと時でもほっこりすることは大切だと思う。

 

 

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