ほっぺたの向こう

食にまつわるあれこれ.

アルザス美食記ー 旅の準備 脳内指令「物見遊山を圧縮せよ」

今週のお題「おとなになったら」

 

「有名ドコロだけ!」を卒業

 あそこも見たい。ここも見たい。プランを練って、短い時間でいかにたくさん名所を巡るか。タイムリミットのある中で、どうすればショッピングを楽しめる? お土産はどこで買おう。誰に渡すべき?

 

 旅のプランを練るときは、そんなことばかり考えがちだし、そんな旅もいい。

 

 でも、旅行というものは、けっこうカラダにもココロにもタイトで、ぎりぎりいっぱい。結局くたくたになることが多い。計画を練って、旅支度をして、いざ出発! という時点ですでに体力を消費しているし、旅先で人が多いと気疲れもする。小さな子どもがいればなおさらで、あっち行ったりこっち行ったりの子どもがいると、背中にも目が欲しくなるのだ。旅をするにも、もうオトナになったのだ。それで、今回は旅のView Pointを変更し「物見遊山」ではなく「栄養補給」を心がけることにした。

 

「ワイン畑と散歩」重視のプランニング

 プランは分刻みで詰めこんだりせず、ざっくりとしか決めない。気持ちのゆとりを優先させて、大きな都市は少しだけ見てまわり、田舎町では散歩を楽しむことを大切にしたい。さて、どこに行こう。

 

 候補にあがったのはフランスのアルザス地方だった。ナツさんが「ワインを飲みたい」と言ったので、今回はガイドブックにちょっぴり載っていたフランス・ワイン街道の町、バールへ。日本の本に詳しく載っている町ではないけれど、知人から良いと聞いたのだ。三泊四日の旅程のうち、バールには二泊ホテルをとった。帰りには、ストラスブールによって一泊する。ストラスブールはドイツとフランスの国境にある都市で、ドイツの文化が混じっている。素通りはもったいないので、ノートルダム大聖堂やプチ・フランスを見るつもりだ。あくまで「田舎町のんびり」がメイン。つまりは名所めぐりを三分の一に圧縮するのだ。

 

いざ出発! その前に

「りつ、スリに気をつけなさい。」

 

 出発の直前、いつも一緒にパン屋さんでブランチしているドイツ人の友人が、ハンバーガーを頬張りながら、私に忠告した。前回のブランチでアルザスに行くと話したら顔を曇らせたので、てっきりフランス語を心配されているのだと思っていたのだけど違ったらしい。財布はつねに上着の下に隠しておくように念を押されたのだ。日頃の私を見て、危なっかしく思ったのかもしれない。

 

 そうそう。ざっくりとしか計画を立てないと言っても、何を食べるかは決めておきたい。キッシュでしょ、ガレットでしょ、エクレアに、クレームブリュレに、ケーキも外せない。それから、ドイツの薄ピザであるフラムクーヘンのフランスヴァージョン、タルト・フランベも。枚挙にいとまがない。このくらいにしておこう。

 

 店はあえて下調べせず、ぶらりと立ち寄るカタチにする。店を見るだけで美味しい店を見分けられる(と豪語する)ナツさんの感覚を信じて、地元の美味しいレストランを、自分たちの目と足で探すのだ。

 

 

 

 

 

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